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THE MAD CAPSULE MARKET'S |
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TAKESHI"\"UEDA |
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前作『PARK』で、怒涛(どとう)の勢いで繰り出される破壊的ハイブリッド・ビートの中にもキャッチーなメロディーを忍ばせ、唯一無比のサウンドを完成させたザ・マッド・カプセル・マーケッツ。あれから約1年、彼らはその完成させたサウンドさえ冷酷に破壊し、ストイックなサウンドを追及したアルバム『4
PLUGS』を作り上げた。それは単に彼らが原点回帰したのではなく、進化したマッドの新たなスタートとも言えるだろう。さらに彼らはサンフランシスコでライブを行い、今後の活動の矛先を海外にも向けようとしている。
●以前、ある音楽雑誌に載っていた「この人たちは自分たちを語る言葉を持っていないんだろうか」って記事を読んだんだけど、自分たちの音楽を言葉で語るのって苦手なのかな。 TAKESHI(以下T):あんまり得意じゃないな。音楽って言葉で説明するもんでもないと思うからね。結局は聴いてもらうしかないでしょ。 ●音楽雑誌のアルバムレビューやライブのレポートとかは、気にして見る方? T:載ってたら見ますね。でも腹立つのも多いよ。さっき言ってたのも見たことがあるし、ほめていても変なほめ方が結構あるし、そういうヤツはどうでもいいですね。 ●移り変わりの激しい今の音楽業界でデビューして、6枚もアルバムを出すなんてほんのひと握りでしょ。デビュー当時、ここまで来る自信みたいなものはあった? T:(笑)そういうことは全然考えてなかったですね。アルバム出したりツアーするたびに次があるかなんて危機感もないし。 ●今までの5枚のアルバムって冷静に振り返るとどう? T:このアルバムがこうだったっていうのは、あんまり考えないんだけど、全部のアルバムについて満足していない。自分たちのアルバムを聴いていても、嫌な所ばっかり気になって、「ここが良かった」なんて思わない。 今回は、特に自分たちの音楽がどういうものかっていう基本となる部分を、もう一回見つめ直すような形から始めたから、そういう意味ではシンプルにして正解だったと思うけどね。 ●『4 PLUGS』では、曲作りを始めたときから、TAKESHIの個人的なテーマも、その辺りにあったということ。 T:シンプルっていうか…「マッド・カプセル・マーケッツの音はどんな音か?」というところから考え直していった。そう考えたときに、結局シンプルにやっていくしか、やっていきようがなかったからね。 ●他のメンバーが、デモテープの段階でTAKESHIが答を出してくれたという発言をしていたけど、それは意識的に「自分が出さなければいけない」というようなところがあった。 T:そうですね。そういう部分はあったかもしれない。 ●じゃ、それだけにデモテープを作るのに時間がかかったとか。 T:いや、曲作りでは、時間的にそんなに変わらないです。ただ、「次はどういうのだろう?」って考える時間、曲作りの前のポヤ〜ンとしている時間がかなり長かった。やりたいことがいっぱい出てきて、それをどう形にしていくかというところに時間がかかった感じかな。 ●前作の『PARK』はバンドの広がりをすごく感じたアルバムだったんで、個人的にはもう1枚ぐらい広がってみてもいいんじゃないかなと思っていたんだけど、もったいないことにその広がりをポイっと捨てて、いきなりマッドの本質を見せたアルバムを作ろうって思い立ったのには、よほどのきっかけがあったんじゃないかと読んでるんだけど。 T:アルバムを作るという方法論として、広げていくという作業が、この何枚かずっと続いていたんで、それに飽きてしまって、自分の中で新鮮味がなくなった。それで「何が新鮮なんだ」と考えたときに、中心となる自分たちの音というのがどんなものかということが、自分の中でも曖昧(あいまい)になってしまっているような気がしたから、見つめ直してみた。 俺達は、そのときそのときに自分に興味があるものをやっていくしかないから、今回はこういうことに興味があったというふうに受け取ってもらえればいいかな。 ●ということは、先のことを考えれば、またここから広がって行ったり、もっとコアな方向へ行く可能性も十分にあると。 T:それもあるし…。ただ、広がるとしても前とは違う広がり方をすると思う。 ●ある意味で、今度のアルバムから何かが始まったっていう印象なんだけど、第二期マッドのスタートって受け取っても別に構わない。 T:自分たちの中で自分たちを見つめ直す作業をしたということは、ある程度そういう意味もあると思うけど、それはもっと後で分かるんじゃないかな。 ●今回のアルバムにはTAKESHIの作った曲が多く収録されているんだけど、いい意味で「俺のアルバムだ」という意識ってある? T:曲作りに関しては、俺が作って、ヒント出して、答を出してやっていかないと、しょうがないと思っているから、結果的に俺の曲が多くなるんです。最初、みんなに「今回の俺の考え」って感じで曲を聴かせるんだけど、それがアルバムになるときは、各自それぞれ1カ月、2カ月とかけて、自分たちのものになるようにしてからレコーディングするから、それが完全に俺のものだとは全然思わない。ただ、前からそうなんだけど、方向性を示したのは俺だというのはありますよ。 ●マッドのレコーディング風景というのは、どんな感じ? イメージ的には激しい口論の連続っていうのがあるけど。意表をついてやたら静かとか? T:やっているときは、みんなまじめで真剣にやっているから、”静か“というのとは違うけど緊張感はあるね。それに、思っていることは言うけど、それでケンカになるようなことはないよ。レコーディングの前に時間が結構あって、煮詰めてから言ってるから、向かっている方向が全然違って意見が食い違うことはないから。 ●今回のレコーディングの時間は長かった。 T:どうなんだろう。前に比べると、だんだん長くなっているけどね。最初に録ったアルバムの倍くらい時間がかかっている。 ●今回は音がシンプルで、オーバーダビングとかも減っているよね。そんな作業が減ったにも関わらず、時間が長くなっているというのは、単純にどこにかかっているんだろう。 T:一番時間がかかるのは音作りのところだね。ドラムとか、ギターの音作りとか。俺のベースの音作りは、いつも機材が一緒だし、ドラムほどスタジオの影響も少ないから、そんなに時間はかからないんだけどね。ドラムとかは、気に入った音を作るためにかなり時間はかかるよ。 ●オーバーダビングが少ない分、1回のテイクに対する集中力なんかも大変だったんじゃない。 T:一人ひとりのプレイに存在感が出てくるから、プレイがどんどんシビアにはなってきている。それが面白いところなんだけどね。 ●音にすごく勢いを感じるんだけど、話を聴いているとOKになる基準というのは、単純に”正確さよりも勢い“というわけではない。 T:ある程度正確じゃないと、気持ちよさも全然出ないからね。ただ、正確といってもドンカマ(演奏のガイドになるリズム)に合っていればいいってものでもない。ドンカマに合っているよりも、ドラムとベースとギターの中で作るグルーブで、どれが気持ちいいかが一番重要ですね。 例えば俺がちょっとドラムに対して後ろ気味に弾いてみたり、前気味に弾いてみたりして、どっちがいいか聴いて試してみるとか。 ●このアルバムは、すごくドラムの音でも乾いた感じがして、メロディーよりもリズムがすごく強調されているという印象を持ったんだけど、それは狙いとしてあった。 T:普通ドラムって広い部屋を使うんだけど、基本的にドラムを一番小さな部屋で録って、アンビエント(部屋の自然な残響)とか、そんな音は全然なしにしてやってるからね。それは最初からそんな感じでいこうという狙いだった。 ●TAKESHIって曲をメンバーに聴かせるときは、デモテープを作って聴かせているそうだけど、そのデモテープというのは、かなり完成されたもの? T:歌詞とかも考えて、歌も入れてという感じで1曲にして渡すから完成度は高いですね。それを、ひとまずそのままやってみて、その後みんなでどうするかというところで、全然変わらない曲もある。 ●そのままでもリリースできるくらいのレベル(笑)。 T:音が悪いから、そこまでは無理(笑)。 ●自宅でデモテープを作るというのは、ドラムマシンとかを使った打ち込みで? T:そうですね。ベースもギターも自分で弾いて…。だいたい頭の中でポーッとした形のやつをリズムに打ち込んで、それを鳴らしながらギターを弾いて考えてる。一番最初に曲を作り始めたときから、そういう感じで作ってきたから、他の人がどうやっているかとか、他の作り方ってよく分からない。 ●その段階ではメロディーよりも、まずはリズムやリフが出てくるんだ。 T:最初はね。でも、その時に同時にくっついてくるメロディーのモチーフみたいなものがないと、その曲は結局「つまんない」ってなっちゃうことが多い。 ●変な質問するけど、TAKESHIって自宅でデモテープを作っているときと、スタジオでレコーディングしているときとでは、エキサイトするのはどっち? T:…うーん、デモテープを作っているときが一番盛り上がっているような気がしますね。レコーディングをしているときというのは、曲に対するリズムをどうするかとかシビアになるんだけど、曲を作っているときはそんなのは別に関係なくて、その曲にどれだけ盛り上がれるかだけという感じだからね。 ●今回のレコーディングでのテンションは、今までと比べてどうだった? T:やっているときのテンションは、今までもそれなりに高いけどね。ただ、今回出来上がった音に関しては、かなり満足している。 ●原点に向かいつつあるという話なのに、最近ライブでサポートにギタリストが入ってるよね、これは? T:参加してもらっているDOOMの藤田さんは、アルバムでもコーラスやってもらってるんだけど、そのときに「一緒にやろうか」という感じで盛り上がって。これに関してはそんな勢いだけでね(笑)。でも、1人増えることによって、全然音が変わるから、結果としては面白かった。 ●新しい曲というのはライブでやって、どんな気持ち。やっぱり楽しい。 T:曲ってやっていくうちに飽きていくことがあるから、新曲はやっぱり楽しいかな。今は一番新鮮だからね。 ●サンフランシスコでアルバムのミックスをやったときに、ライブもやったって、日本では騒ぎになってるけど、本当のところ客の反応はどうだった。 T:外人はすごく反応がいいですね。良いものは良い、悪いものは悪いってすぐに言ってくれますからね。全部で2回やったんだけど、全然俺たちのことを知らない人の前でやってどうかというのは、すごく興味があることだし、面白いよね。 ●このライブをきっかけに、向こうで本格的に活動するんじゃないかってウワサも聴くけど、何か具体的に決まってる? T:いや、別に具体的なことは何も決まってないんだけどね。ただ、あっちでそういうライブをやっていきたいなという。 ●みんなでバスに乗ってアメリカ大陸を回っていくみたいな。 T:そうですね。ある程度の場所は回りたいと思う。アメリカに限らず、ヨーロッパにも行きたいしね。 ●1カ月も2カ月もバスの中でメンバーと共同生活してると、人間関係が大変になるバンドもあるけど(笑)、マッドは大丈夫? T:これだけは、今までに経験ないから、やってみないと分かんないですけどね(笑)。そりゃケンカもあるかもしれない。 ●マッドはJロックの中でも、すごく言葉のノリみたいなものが伝わるバンドだから、言葉の壁なんか関係ないって思うけど、そんな壁はライブをやっていて全然感じなかったでしょ。 T:言葉の問題は全然関係ないですよ。最初からそこの不安は全然なかったです。CDになったときは、ある程度「英語の方がいいのかな」と思ったりはするけど、ライブでやる分は英語も日本語も全く関係ないですよ。 ●今、海外でライブをやったのには何か理由がある? T:そんな大したものは…。やりたいという気持ちは前からあって、だんだんできるような状況になってきたってことです。 ●せっかく超個性的なベーシストに会えたからベースの話もしたいですね。ベースというのは従来”縁の下の力持ち“的存在というイメージが強いんだけど、TAKESHIのベースは演奏を引っ張っていて、リードベースみたいな感じだよね。 T:結構ひずんだ音を出しているから、普通のベーシストと違うとは思ってる。普通のことをやっていても普通の音楽になっちゃうからつまんないしね。特にリードベーシストだとかは思わないけど、ベースっていうのは、可能性がいっぱいあって、すごい面白い楽器ですよ。 結局グルーブってのは4人で作るものだから、だれかが引っ張って、だれかが付いていってというもんじゃなくて、みんながぶつかり合って作っていくもんだからね。だれかが引いちゃったりしたら、いいものが出来ないと思うんですよ。 ●「神歌」で、ギターとベースが一緒に同じリフを弾いてるところなんか二つの楽器じゃなくて一つのすごく音域の広い楽器のようにさえ聴こえるけど、そんなギターとベースのコンビネーションって意識してた? T:あの曲は一体感がすごく大事だから、意識はしているけどね。同じリフを弾くからといって、ピッタリ同じ必要はないんだけど、それが気持ちいいリフにならないとしょうがないから、ギターを録っているときも、ああだ、こうだって言いながらスタジオにいたしね。 ●あこがれていたり、影響を受けたベーシストなんている? T:ベーシストであこがれてた人って全然いないんだけど、いろんな人の影響はあると思うよ。人にはストラングラーズのジャン・ジャック・バーネルに似ているって言われるし、「好きだった?」って聴かれるけど、俺は全然知らないんだ(笑)。 ●最近、聴いて面白かったベーシストなんかは。 T:サンフランシスコに行っているときに、ルインズっていう日本のバンドのライブを観たんだけど、そこのベースの人がすごく良かったですね。ドラムとベースの2人しかいないからベーシストがエフェクターをいっぱい使ってて、いろんな音出してて面白かったですよ。あっちでもすごく人気があってライブハウスいっぱいにしてた。 ●マッドは耳に刺激的な音を出しているバンドだけど、そんなサウンドと対極にあるようなポップな音楽にも関心はある? T:普通ですよ。歌謡曲とかもいいものがあるんじゃないですかね。 ●それにインスパイアされたりは? T:インスパイアは…。でも、ないとは言い切れないけどね。 ●ラジオなんかで聴いた曲のメロディーが頭から離れなくて、「フーン、フーン」とかいってついつい鼻歌に出てしまうとか。 T:そういうのはありますよ。俺は歌謡曲も結構詳しいですよ(笑)。いっぱい知っているから。 ●興味本位で悪いんだけど、マッドってデビュー当時から、やりたい放題にやってきたように見えるんだけど、やっぱり見えないところで壮絶な戦いがあったりしたのかな(笑)。 T:レコード会社とかと(笑)。そういうのは、やっぱり他より多いんじゃないかな。ただ、お互いにいいものを作ろうとして、ぶつかっていることだからね。向いている方向が一緒じゃないときは、ちゃんと話し合いとかやってるよ。 ●最後にアーティストとしてのTAKESHIの今後の目標は? T:常に自分の中で満足して、納得してやっていきたい。自分たちがやりたいようにやって成功するということが、未来の姿としての一番の理想かな。 ●そのためにも時々レコード会社なんかとも戦って。 T:そうですね(笑)。 |