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「1/3の純情な感情」の大ヒットにより、様々なメディアからも注目を集めるようになったシャムシェイド。最近では音楽雑誌のみならず新聞や情報誌なども彼らの現状を大きく伝えている。また、新たなファンも多くつかみ、Jロックシーンにおける彼らの存在が日に日に大きくなっていっているようだ。
そうやって、今まで応援してきたバンドがブレイクするのはうれしいのだが、変に”「1/3の純情な感情」のシャムシェイド“というイメージを持たれてしまうのはどうかと思う。また、彼らのビジュアルがロックファッションをうまく着こなし、ある意味でスタイリッシュなだけに、世間一般がイメージするシャムシェイド像が”ハードでポップな楽曲をプレイするファッショナブルなバンド“になっている感も強い。確かにそれも今までのシャムシェイドが持っていた部分ではあるが、そこだけが突出していることに僕は少し不安を感じていた。「まさか、この部分をウリにしていくのでは…」と。
そんなシャムシェイドが最新アルバム『SIA-M SHADE
IV・Zero』を引っ提げてのツアー『ZERO-ISM』をスタートさせた。その初日は赤坂ブリッツ。なんと追加公演として急きょ発表された場所でもある。1階がオールスタンディングで2階には席が設置されているといった、キャパシティー的にもホールとライブハウスの中間のような会場だけに、ツアーの幕開けを飾るには打って付けの小屋かもしれない。1階フロアでは、これから始まるライブに備えて、手荷物や上着をロッカーに入れたTシャツ姿の少年少女でごった返して開演前から熱気をはらんでいるし、2階席も決してライブを傍観しようと悠長に構えてなんかいない。まさにライブハウスで感じるようなライブ開始前の独特の緊迫感が、このブリッツ内に漂っているのだ。そして、開演予定時刻を少し回ったころ、いきなり客電が落とされた__。
観ていてうれしいライブだった。ライブのクオリティーという点においては、ツアー初日ということもあってか、気になる点もあったし、メンバーも最初は手探りでやっているようなところがあり、いつものようなド頭からハイテンションで観客を引っ張っていくような感じではなかったのだが、そんなことは問題にならない。エンジンがかかり出すといつものハードで熱いライブを見せつけてくれたからだ。そして、僕が”うれしい“と思ったのは、その”いつものライブ“を見せてくれたこと。特に彼らの持つハードな部分が強調されたようなメニューの組み方がうれしかった。
抜群のテクニックでもって襲いかかるスピードナンバーやドライブ感あふれるハードチューンでありながら、メロディックでキャッチーな部分を失わないのがシャムシェイドの楽曲。また、ノドを切り裂くようなボイスからファルセットまでを使いこなし楽曲に表情を付けるHIDEKIのボーカルの説得力もかなりのものだ。そんなHIDEKIのボイスをさらに押し出すクリーンなバッキングボーカルを取るKAZUMAの存在も大きく、2人がツインボーカルで歌い上げるバラードは絶品だった。その上、JUNJIの繰り出す的確なビートとNATINの地響きを立てるような力強いベースという鉄壁なリズム隊も頼もしいし、そんな彼らがボトムを支えるサウンドの上でアグレッシブにも流麗にも柔軟に変化するDAITAのギターも冴え渡っている。そして、客席にいる僕も含めた観客達は、この5人のメンバーの持ち味が生かされてこそ初めて、シャムシェイドの楽曲がその輝きを最大限に放つことを肌で感じるのだった。これこそシャムシェイドのライブのだいご味だろう。
中盤から終盤に入り、常に黄色い歓声と野太い声が交錯する客席のテンションがどんどんエスカレートし、ハードロックやメタルバンドのギグのように熱を帯びながら盛り上がっていく。まだツアーが続いているため、曲目や構成に触れることができないのが残念なのだが、今回のライブの本編のエンディングは”ハードロックバンド、シャムシェイド“をまざまざと見せつけてくれるものだった。きっと初めてシャムシェイドのライブに足を運んだ人が持っている”「1/3の純情な感情」のシャムシェイ
ド“というイメージを、いい意味でぶっ壊したことだろう。また、今までのファンに対しても「1/3の純情な感情」の前には「PASSION」というハードなシングルがあり、『SIAM
SH-ADE IV・Zero』の前には『SIAM SHADE
III』というハードロックアルバムがあったことを再確認させるものだったとも言える。それでいていつものシャムシェイドのライブだったことが僕にはとてもうれしかったし、彼らがハードでポップなバンドではなく、純然たるハードロックバンドのままであることに安堵感を覚えた。さらにこのメニューでの全国ツアーがスタートしたということは、”ハードロックバンド、シャムシェイド“を各地のファンに知らしめるということでもあり、それを考えるとまたうれしくなったりする。
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